(前略)京都府警は3日にも偽計業務妨害で逮捕状を請求する方針を固めた。犯人逮捕は時間の問題となったが、つくづくア然とさせられたのは、この間のマスコミ各社の常軌を逸したバカ騒ぎだ。ほかに報じるべき大事なニュースは山ほどあるのに、大新聞は連日の1面トップ扱い。カンニング犯捜しに血眼になるあまり、明らかな誤報まで飛び交った。
投稿に使われたハンドルネーム「aicezuki」と同じIDの男子高校生が、交流サイト「ミクシィ」で関与をにおわせる書き込みをしたことが分かると、すわ犯人かと騒ぎ立て「都内有名校 18歳高校生浮上」とデカデカと報じたメディアもあった。この高校生は単なる愉快犯だったから、とんだ赤っ恥だ。
誤報は2日も飛び出した。一部全国紙が夕刊や電子版で「都内2高校生が関与 1人は外で中継」と“スクープ記事”を掲載。ところが、夜になって携帯の契約者が東北在住であるとの情報が流れ始めると一転、電子版で〈入試問題の投稿には東京の高校生2人が関与していたとみられていたが(中略)さらに捜査を進めたところ、東北地方との接点が浮上した〉なんて、苦しい言い訳をする始末。
そもそも、この事件の本質は「入るのは難しく出るのはやさしい」というこの国の崩壊した受験システムにある。最大の元凶は、天下り先である大学を粗製乱造し、複数の大学を受けさせるために競争をあおってきたデタラメ文部行政だ。
コトの本質を伝えようともせず、一カンニング犯捜しに躍起になっている大マスコミは、少し頭を冷やした方がいい。
京大カンニング事件 あきれたメディアのバカ騒ぎ 犯人捜しで誤報連発 (ゲンダイネット)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_media__20110306_4/story/06gendainet000139266/
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